ナナチは、「メイドインアビス」でリコとレグを救う頼もしい仲間。愛らしい外見とは裏腹に冷静かつ豊富な知識を備え、その壮絶な過去とミーティとの絆が作品の核心に迫ります。最深部への旅路を彩るナナチの存在は、読者の心を揺さぶる大切な鍵だといえるでしょう。
そこで今回は、ナナチの死亡説は本当なのか、最期とその後の謎を解明していきます。
メイドインアビスのナナチの死亡説は本当?その最期と正体とは
結論から言うと、ナナチはまだ死亡が確定していません。ただし、瀕死の状態であることは間違いありません。これについて考察するために、まずは、ナナチの正体についておさらいしていきましょう。
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『メイドインアビス』の物語において、ナナチはコミックス3巻で初登場します。
リコが第四層「巨人の杯」へ降り立った際、猛毒を持つタマウガチに襲われ、さらに上昇負荷の影響で瀕死状態に陥ったところを救い出したのが、半獣人のような姿をしたナナチです。第四層の端の方は上昇負荷が比較的弱い場所があり、そこに手作りの住居を構え、「ミーティ」という“成れ果て”と呼ばれる存在と一緒に暮らしていました。
見た目は幼く愛らしささえ感じさせますが、アビスの知識と生き延びるための知恵を兼ね備えており、その行動や判断力は想像以上に大人びています。ときに自身の正体が知られるリスクを冒してでも、リコやレグを助けようとする情の深さも持ち合わせており、その性格と過去がどのように結びついているのか、多くのファンを魅了しています。
ナナチの性格
ナナチは可愛らしい外見に反して、非常に冷静で現実的な思考の持ち主です。特に、第四層で身につけた医療知識や処置方法、そして“上昇負荷”への対処法など、実践的な技術が豊富に備わっています。その一方で、かつての過酷な孤児生活の名残があり、レグやリコに出会うまでは生ゴミ同然のものを口にしていたため、味覚が鈍いという一面も。料理が苦手なのも、まともな食事を経験してこなかった過去が原因だといえます。しかし、リコと出会ってからは「ミーティに美味しいものを食べさせたい」という思いから、料理の腕を磨こうと努力している様子が見受けられます。厳しい環境を乗り越えてきたからこそ、人を慮る優しさや、人情の厚さがしっかりと根付いているのです。
ナナチの元の姿は?
ナナチは雪深い極寒の地・セレニで生まれ育ちました。幼い頃は他の孤児のように器用に立ち回ることができず、道端で拾った物を食べるなど悲惨な暮らしを送っていました。しかし、拾った本を読むことで知識を広げ、絵の技術まで身につけていたのが特徴的です。そんな中、白笛である“黎明卿”ボンドルドに勧誘される形でアビスに降り立ち、道中で出会ったのが人間時代のミーティでした。2人は一緒に深層を目指す中で絆を深め、無二の親友となりますが、ボンドルドの実験によってナナチの身体は大きく変わり、いまの半獣人のような姿へと変容させられてしまいました。その後、ミーティに対する扱いに耐えられなくなったナナチは、彼女を連れてボンドルドの元を脱走し、第四層でひっそりと暮らすようになったのです。
ナナチの願いと想い
ナナチとミーティの出会いは、白笛のボンドルドが率いていた探窟家の部隊に子どもたちが集められたときに遡ります。アビスの深層へ行けるという誘いを「夢のようだ」と感じたミーティは、大勢の子どもたちの中から偶然にもナナチを見つけ、分け隔てなく話しかけました。ナナチは当時、路上生活で汚れた身だと周囲から敬遠されていましたが、ミーティの優しさに触れたことで初めて心を開き、次第に「自分にとって宝物のような存在だ」と感じるほどに強い想いを抱きます。白笛への憧れと、深層での冒険心に胸を弾ませていた2人ですが、やがて待ち受ける過酷な実験によって、その関係は大きく運命を変えられることになりました。それでもナナチにとって、ミーティはかけがえのない親友であり、たったひとつの心の拠り所として深く根付いているのです。
ナナチの誕生の秘密
秘密1.ナナチの性別は不明
ナナチは見た目こそ幼い半獣人ですが、実年齢や性別については不明な点が多いです。
自分のことを「オイラ」と呼び、男の子らしい口調を使う一方で、髪が長かった人間時代の姿や、同性であると推測されるリコに近づいても赤面しない場面などから、女の子とも受け取れる描写が見られます。さらに、レグが近寄った際に照れるのに対して、リコにはあまり照れず、「お前の触り方がいやらしいからだろぉー!!」と突っ込む愛嬌も魅力です。
そうした曖昧さを残しているのは、作品の中でキャラクター性を膨らませる要因のひとつにもなっており、読者の間でもさまざまな解釈が交わされています。
秘密2.ナナチはボンドルドの狂気の実験の副産物
ナナチは、ボンドルドの実験を経た結果、“上昇負荷”や“アビスの呪い”に対して強い耐性を獲得した存在です。
通常ならば、深層から上昇するほど身体と精神に甚大なダメージを被るはずですが、ナナチの場合はそれが緩和されており、半獣人の姿になった際に得た「祝福」のひとつ。もっとも、この能力が完全なものかどうかは謎が多く、ナナチ自身も痛覚や感覚の一部が人間とは異なるため、深層での生活に順応している半面、常に変化し続ける身体との付き合い方に苦労している可能性も否めません。
ボンドルドが施した実験のすべてが明かされているわけではないため、ナナチの耐性や身体的特性にまつわる秘密は、今後も作品のキーとして描かれていく可能性があります。
秘密3.ナナチは死亡した可能性も
最新話では、7層の原生生物に襲われたリコ達。シェルメナを庇ったナナチは、見るも無惨な姿となって救出されましたが、ナナチの死体としては描かれていません。ナナチの現在についてはこちら。
これまでの演出上、死体が描かれないのは生きているからだという考察も。また、ナナチが襲われる前に魂の話やシェルメナの体や魂の話がされたことが、ナナチ蘇りの何らかのフラグである可能性もあります。
スラージョは、遺物から命を得たリコに対して「魂には驚くべき性質がある、実感があったら教えてくれ」と話します。魂が消えかかったナナチ蘇りのフラグになるのかもしれません。もしくは、シェルメナのようなナナチ=レグ化という可能性も捨てきれないと信じています。
さらには、別働隊として動いているリメイヨとネヨーゼルも気になるところ。
この2人がナナチ蘇生に関わる可能性や、7層攻略のキーマンになる可能性が捨てきれません。
まとめ
ナナチは、幼い見た目とは裏腹に幅広い知識と冷静な判断力を持ち合わせ、それでいて仲間を救おうとする優しい心根も失わない、非常に奥深いキャラクターです。人間だった頃の孤児生活や、白笛・ボンドルドの実験を経ていまの半獣人の姿へと変えられたという壮絶な過去が、その大人びた性格と現実的な視点に反映されています。ミーティとの強い絆がナナチの原動力であり、アビスの過酷な環境を生き抜くうえでの支えにもなっているのです。また、性別や年齢が明確になっていない点や、“呪い”への強い耐性など、未知の部分も多く、その謎や秘密こそが読者を惹きつける大きな要素といえるでしょう。『メイドインアビス』の物語を楽しむうえで、ナナチの存在は欠かせない魅力となっています。