傲慢・強欲・嫉妬・憤怒・色欲・暴食・怠惰。これらは「七つの大罪」と呼ばれ、この罪をモチーフにした漫画は数多くあります。
この七つ罪は、人間の欲望や弱さを象徴しており、ストーリーに膨らみを与える要素として利用されています。
今記事では、「七つの大罪」の罪が重い順にランキング化し、罪の背後にいる悪魔や幻獣を一覧にして見ました。
七つの大罪とは?なぜ罪が重い順番が存在するのか
「七つの大罪」とはキリスト教の教えにおいて、人間の霊魂にとって禁忌とされる七つの罪悪。
中世のキリスト教文化において、各罪には特定の悪魔が関連付けられています。この罪はしばしば、人間の道徳的堕落の原因と見なされます。
以下に「7つの大罪」とそれに関連付けられた悪魔、そして一般的に考えられるその強さ(影響力)を強い順に並べてみます。
- 傲慢(プライド) – 最も重い罪とされ、自己を他人よりも高く評価し、神以上になろうとする罪。悪魔ルシファーがこの罪に関連付けられています。
- 嫉妬(エンヴィ) – 他人の成功や幸福に対する妬み。この罪には悪魔レヴィアタンが関連しています。
- 怒り(ラース) – 激しい怒りや憎悪。この罪には悪魔サタンが関連しています。
- 怠惰(スロース) – 行動や努力を怠ること。悪魔ベルゼブブがこの罪に結びつけられています。
- 強欲(グリード) – 金銭や物質的な所有欲の過剰な追求。この罪の悪魔はマモンです。
- 暴食(グラトニー) – 食べ物や飲み物を必要以上に摂取する行為。悪魔ベルフェゴールが関連しています。
- 色欲(ラスト) – 性的な欲望をコントロールできない状態。この罪にはアスモデウスが関連しています。
上記の罪と悪魔の関連付けは、それぞれの罪が持つ破壊的な性質や個人に及ぼす影響の強さを表しています。
傲慢が最も重い罪と見なされる理由は、他のすべての罪の根源とされるためです。
七つの大罪が作られた歴史と経緯
この大罪は、キリスト教の初期の時代、特に4世紀ごろに始まりました。
最初にこのような概念をまとめたのは、キリスト教の修道士であるエウァグリウス・ポンティクスという人物です。彼は当初「8つの悪しき思い」を考え出し、これが後の「七つの大罪」の基礎となりました。
この考えは、後にグレゴリウス1世という教皇によって編集され、「七つの大罪」として新しく整理されました。
グレゴリウス1世は、これらの罪がどうして人々にとって悪いことなのかを説明し、キリスト教徒たちにこれらの罪から遠ざかるようにと教えました。
大罪は、傲慢、嫉妬、怒り、怠惰、強欲、暴食、色欲の7つとなり、人が幸せな生活を送るために避けるべき悪い行いとされています。
傲慢(自分を偉いと思いすぎること)や強欲(お金や物を欲しがりすぎること)は、友人や家族との仲を悪くしてしまうことがあるからです。
七つの大罪の罪が重い順ランキングと背後にいる悪魔
それでは、七つの大罪と背後にいる悪魔について見ていきましょう。
【最強】傲慢・ルシファー
傲慢の読み方 | |
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英語 | pride(プライド) |
ラテン語 | superbia(スッペールビア) |
スペイン語 | soberbia(ソーベルビア) |
フランス語 | orgueil(オルグイユ) |
ドイツ語 | hochfart(ホッファート) |
傲慢の罪とは
傲慢とは、自分を他人よりも上に見て、自己中心的になること。この気持ちが強すぎると、友達を大切に思う心が少なくなったり、自分だけが正しいと思い込んでしまうため、いろいろなトラブルの原因になります
これが最も重い罪とされるのは、他の罪の根源ともなるからです。自分を神のように考えることは、他人を尊重しないことにもつながります。悪魔ルシファーも、この傲慢さが原因で天から落ちたと言われています。
悪魔ルシファーとは
悪魔ルシファーは元々天使で、非常に美しく賢かったが、自分の美しさと力に傲慢(プライド)を持ち、自分が最も偉いと考えるようになりました。この過剰なプライドが原因で神に反逆し、天から追放されたとされています。
そのため、ルシファーはプライドの罪を象徴する存在とみなされ、傲慢な行動の警告として語られることが多いです。
傲慢(プライド)をモチーフにした漫画キャラ(七つの大罪・ハガレン・リゼロ)
ライオン・シンのエスカノール。太陽の力を持ち正午になると最強の力を持つ。
ホムンクルスのプライド。セリム=ブラッドレイ。長男として他のホムンクルスを従える。
傲慢の権能を持つ魔女・テュフォン。子供の残忍さを持つ。アクニンに苦痛を与える。
【2位】嫉妬・レヴィアタン
嫉妬の読み方 | |
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英語 | envy(エンヴィー) |
ラテン語 | invidia(インヴィーディア) |
スペイン語 | envidia(エンヴィーディア) |
フランス語 | envie(アンヴィ) |
ドイツ語 | Neid(ナイト) |
嫉妬の罪とは
嫉妬は、他人の成功や幸せを見て、自分も欲しいと思う気持ち。少しの嫉妬は誰にでもあるかもしれませんが、それが強すぎると人との関係が悪くなり、嫌な気持ちにさせてしまうことがあります。
嫉妬のために、友達を悪く言ったり、傷つけたりすることはとても重い罪です。悪魔レヴィアタンがこの罪と関連付けられています。
レヴィアタンとは
キリスト教で、レヴィアタンと「嫉妬(エンヴィ)」の罪が関連付けられている理由は、レヴィアタンが強力で他の生き物に対して支配的な振る舞いがあるからです。
他者の持つものや地位を妬む嫉妬の感情を象徴していると考えられています。嫉妬心は他人を見下す行動につながり、レヴィアタンの支配的な性格と重ね合わせられるのです。
嫉妬をモチーフにした漫画キャラ(七つの大罪・ハガレン・リゼロ)
サーペント・シンのディアンヌ。巨人族の娘で、自然を操る。恋多き女。
ホムンクルスのエンヴィー。普段は人間に化けているが、正体は醜い怪物。
嫉妬の権能を持つ魔女・サテラ。世界を滅ぼしたとして、恐れられている。
【3位】憤怒・サタン
憤怒の読み方 | |
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英語 | wrath(ラース) |
ラテン語 | ira(イーラ) |
スペイン語 | envidia(エンヴィーディア) |
フランス語 | colere(コレール) |
ドイツ語 | zorn(ツォーン) |
憤怒の罪とは
怒りは、物事が自分の思い通りにいかないときに感じる感情。この怒りが強すぎると、他人を傷つけたり、自分自身も苦しい気持ちになるため、とても問題です。怒りをコントロールできないと、大切な人との関係が壊れてしまうこともあります。
悪魔サタンがこの罪と関連づけられているのは、破壊的な力があるからです。
サタンとは
サタンはキリスト教で「反逆者」として知られており、元は天使でしたが神に対して反乱を起こしました。この反乱は激しい怒り(ラース)と反逆心から来ているとされ、そのためサタンは怒りの罪と関連付けられています。
サタンのこの激しい怒りは、自制心を失い破壊的な行動に出ることの危険を象徴しており、怒りの感情がどれほど強力であるかを示しています。
憤怒をモチーフにした漫画キャラ(七つの大罪・ハガレン・リゼロ)
ドラゴン・シンのメリオダス。魔人族の王子で、漫画「七つの大罪」の主人公。
ホムンクルスのプライド。普段は大総統として生活しているが、裏では暗殺も厭わない。
憤怒の権能を持つ魔女・ミネルヴァ。攻撃した対象を癒す力を持つ。
【4位】怠惰(スロース)・ベルゼブブ
怠惰の読み方 | |
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英語 | sloth(スロース) |
ラテン語 | acedia(アッチェーディア) |
スペイン語 | pereza(ペレーサ) |
フランス語 | paresse(パレス) |
ドイツ語 | faulheit(ファールハイト) |
怠惰の罪とは
怠惰は、やるべきことをしないでぐずぐずと時間を過ごすこと。勉学や仕事をさぼることも怠惰にあたります。このように努力をしない生活を続けると、成長するチャンスを逃し、自分の可能性も十分に発揮できません。
悪魔ベルゼブブがこの罪と関連しています。
ベルゼブブとは
ベルゼブブも、もともとは高位の天使でしたが、ルシファーとともに反逆を起こし、堕天使となりました。
キリスト教では、ベルゼブブは「怠惰(スロース)」の罪と関連付けられています。怠惰は行動を起こさず、自分の職務や責任を放棄することを意味します。
ベルゼブブがこの罪と結びつけられるのは、彼が神に対する義務を放棄し、無為に時間を過ごすことを選んだからです。そのため、怠惰の罪の象徴とされています。
怠惰をモチーフにした漫画キャラ(七つの大罪・ハガレン・リゼロ)
グリズリー・シンのキング。妖精族の王子で、ハーレクインという本名を持つ。
ホムンクルスのスロウス。国家錬成陣のために、鎖に繋がれながら地下道を掘り続けている。
怠惰の権能を持つ魔女・セクメト。神龍を大瀑布の向こう側に追いやった過去を持つ。
【5位】強欲(グリード)・マモン
強欲の読み方 | |
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英語 | greed(グリード) |
ラテン語 | avaritia(アヴァリーチア) |
スペイン語 | avaricia(アヴァリーシア) |
フランス語 | avarice(アヴァリス) |
ドイツ語 | geiz(ガイツ) |
強欲の罪とは
強欲は、お金や物をたくさん持ちたいと思う欲強い気持ち。自分のためだけにお金を使い、他人のことを考えないことが問題です。人との関係よりも物を重視すると、孤独になることもあります。
この罪の悪魔マモンは、金銭と物質主義を象徴しています。
マモンとは
マモンは、物質的な富や財産を象徴する悪魔とされています。キリスト教の教えでは、「神とマモンの両方に仕えることはできない」と言われており、マモンはしばしば強欲(グリード)の罪と結びつけられます。
強欲は過度にお金や財物を求める心の状態を指し、マモンがこれと関連付けられるのは、金銭や物質的な欲望の追求が人々の道徳や精神生活に悪影響を及ぼすことを示すためです。
強欲をモチーフにした漫画キャラ(七つの大罪・ハガレン・リゼロ)
フォックス・シンのバン。人間ながら生命の水を飲み、不死身の体を持つ。
ホムンクルスのグリード。敵ながら人望が熱く、仲間想いの一面も持つ。
強欲の権能を持つ魔女・エキドナ。世界の知識を手に入れようとする権化。
【6位】暴食(グラトニー)・ベルフェゴール
暴食の読み方 | |
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英語 | gluttony(グラトニー) |
ラテン語 | gula(グーラ) |
スペイン語 | gula(グーラ) |
フランス語 | gourmandise(グルマンディーズ) |
ドイツ語 | vollerei(フェレライ) |
暴食の罪とは
暴食は、食べることをコントロールできずに、必要以上にたくさん食べてしまうことです。食べ物を大切にしないと、健康を害することがありますし、食べ物を無駄にすることも問題です。
悪魔ベルフェゴールがこの罪と関連しているのは、過度な欲望のためです。
ベルフェゴールとは
ベルフェゴールは、無尽蔵の食欲と結びついた悪魔とされています。この悪魔は「暴食(グラトニー)」の罪と関連付けられることが多く、過剰な食事や飲酒を象徴します。
暴食は自制心を失って必要以上に食べ続ける行為を指し、これにより身体や精神の健康を害する可能性があります。ベルフェゴールが暴食と関連づけられるのは、過度な欲望を満たそうとする行動が、人の精神と体に悪影響を及ぼすからです。
暴食をモチーフにした漫画キャラ(七つの大罪・ハガレン・リゼロ)
ボア・シンのマーリン。ベリアルインという魔術師のエリート街の出身。探究心が強く混沌を生み出す。
ホムンクルスのグラトニー。色欲のラストと行動を共にし、何もかも吸い込み食べ尽くす力を持つ。
暴食の権能を持つ魔女・ダフネ。左目を見た者は、自身を食べてしまうほどの飢餓感に襲われる。
【7位】色欲(ラスト)・アスモデウス
色欲の読み方 | |
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英語 | lust(ラスト) |
ラテン語 | luxuria(ルクスーリア) |
スペイン語 | lujuria(ルッフーリア) |
フランス語 | luxure(リュグズュール) |
ドイツ語 | wollust(ヴォルスト) |
色欲の罪とは
色欲は、性的な欲望が強すぎて、それをコントロールできない状態を指します。この強い欲望が人を盲目にし、間違った行動を取らせることがあります。関係を壊したり、人を傷つける原因にもなりかねません。
色欲が罪とされるのは、人との健康な関係を損ねるからです。この罪には悪魔アスモデウスが関連付けられています。
アスモデウスとは
アスモデウスは、キリスト教の伝承において、性的な誘惑と結びついている悪魔です。この悪魔は「色欲(ラスト)」の罪と密接に関連付けられており、強い性的欲望や誘惑を象徴します。
色欲は、人が性的な衝動を適切にコントロールできない状態を指し、それが原因で人間関係が壊れたり、倫理的な問題が生じたりすることを示しています。アスモデウスが色欲と関連付けられるのは、このような誘惑を管理することの重要性を教えるためです。
色欲をモチーフにした漫画キャラ(七つの大罪・ハガレン・リゼロ)
ゴート・シンのゴウセル。魔術師が生み出した人形。感情が理解できず、人間を知ろうとしている。
ホムンクルスのラスト。敵を誘惑し、情報を得る諜報員として活動している。
色欲の権能を持つ魔女・カーミラ。魅了し、最後には相手の呼吸を止めてしまう。
まとめ
この「七つの大罪」は、時代が変わってもなお、多くの人々にとって大切な教えとされており、おとぎ話や映画、アニメなどでもよくテーマとして取り上げられています。
これは、七つの大罪が私たちの心や行動にどれだけ大きな影響を与えるかを教えてくれるからです。
あなたも、七つの大罪をテーマに創作をしてみてはいかがでしょうか。