SFとホラーの要素が交じり合ったユニークな世界観の作品「ダンダダン」。その中で登場する円城寺仁、通称「ジジ」は、物語の重要なキャラクターの一人です。
今記事では、ジジの性格や能力、さらには謎めいた過去について紹介しながら、ジジの魅力に迫ります。
ダダンダンのジジ(円城寺仁)の正体
ジジこと円城寺仁は、主人公の綾瀬桃の幼馴染で、彼女の小学校時代の友人です。
彼は桃のことを「モモ」と呼び、親しげに接しますが、かつて小学校で桃のオカルト趣味をからかい、少し距離ができてしまった過去を持ちます。しかし、それを後悔しているジジは桃に謝罪し、再び友達として関係を修復しました。
スポーツ万能でサッカーが得意なジジは、爽やかなイケメン青年に見えますが、実はノリが非常に軽く、チャラ男のようなハイテンションな一面もあります。そのギャップが、周囲を驚かせることも少なくありません。
ジジの明るく飾らない性格は、桃やオカルンといった仲間たちにも大きな影響を与えています。
ジジ(円城寺仁)の性格
ジジの性格は一見軽薄に見えますが、実際には非常に友好的で、誰に対しても分け隔てなく接することができる懐の広さを持っています。
小学校時代には桃と同級生で、おまじないを馬鹿にしてしまったことを後悔し、再会後に彼女に真摯に謝罪しています。そのため、現在では桃にとって大切な友人であり続けています。ジジが桃の学校に編入するきっかけは、彼の家庭に起こった異変にありました。彼の両親が自殺未遂を起こし、家に不審な気配が漂い始めたため、彼は叔母である綾瀬星子に助けを求め、結果的に桃の通う学校へと転校してきたのです。
桃に対する好意が未だに残っていることから、彼はオカルンにとって恋のライバルのような存在とも言えるでしょう。
ジジ(円城寺仁)の強さと能力
ジジの強さの根源は、彼の中に宿る「邪視」という強力な霊的存在です。
この邪視は、彼の引っ越し先の家に現れた怪異であり、異様に長い手足や、鋭く釣り上がった目を持つ不気味なブリーフ姿の男性として姿を現します。邪視はジジの身体を乗っ取ることで、彼を自らの器にしてしまいました。その結果、ジジは本来の姿から大きく変わり、髪の色は朱色から白髪に変わり、目元や首から肩にかけて黒い模様が現れるようになりました。
邪視は強い霊力を持ち、その力で「呪いの家」を生成し、怨念の塊を圧縮してサッカーボールのように蹴り飛ばす攻撃が可能です。この力は非常に強力で、相手を簡単に打ち倒してしまうほどの威力を誇りますが、その姿はシュールで不気味な面も持ち合わせています。
ジジの戦歴!
ジジはその強力な能力を持つ一方で、物語の中では決して頻繁に登場するわけではありません。
しかし、その登場のたびに圧倒的な力を見せつけるため、読者に強烈な印象を与えています。ここでは、ジジが繰り広げたバトルを紹介します。
戦歴1.モンゴリアンデスワーム戦
ジジが初めて大きなバトルを見せたのは、モンゴリアンデスワーム戦です。
元々オカルンの敵として登場し、鬼頭家の怪異を退治するために呼ばれた邪視は、ジジの強大な霊力に目を付けていました。邪視はジジを器として使うことで、その霊力を最大限に引き出し、敵味方関係なく攻撃を仕掛けます。オカルンと激しい攻防を繰り広げる中で、ジジの体を使って「呪いの家」にオカルンを閉じ込め、攻撃を加えるも、オカルンの反撃を受けて一時的に気絶します。
その後、再び意識を取り戻した邪視は鬼頭家を一掃しようとするも、最終的に星子や仲間たちの協力で封じられました。
戦歴2.オカルン戦
ジジと邪視の力を封じるために、綾瀬家でのお祓いが行われましたが、邪視の呪いが強力すぎたため失敗に終わります。
しかし、意外なことに、おでんを食べた太郎の行動がきっかけで、邪視は一時的にジジの体から離れました。その後、冷水をかけられると邪視に戻り、お湯をかけられるとジジに戻るという体質になってしまい、制御が難しい状況が続きます。
オカルンはそんなジジと一騎打ちをすることで、再び彼と向き合う機会を得ます。戦いの末、オカルンが勝利し、ジジは「無抵抗な人間を傷つけない」という約束を受け入れ、オカルンとの再戦の機会を楽しみにしています。
戦歴3.深淵の者(クル)戦
オカルンとの約束を守りながらも、ジジは深淵の者との戦いに挑みます。この戦いでは、邪視の力が再びジジに宿り、強力な攻撃を繰り出しますが、深淵の者もまた強敵であり、容易には勝利できません。ジジとオカルンが再び協力し、激しいバトルを繰り広げ、最終的に勝利を収めることができました。ジジの能力は非常に強力ですが、時折制御が効かなくなることもあり、彼のキャラクター性と相まってその戦いぶりには独特の魅力があります。
ジジの抱える3つの謎
「ジジ」が持つ不思議な力とその背景について紹介します。ジジの力にはいくつかの謎が隠されており、その由来が物語に大きな影響を与えています。
謎1.邪視の元ネタは2ch?
「邪視」とは、民間伝承や迷信で広く知られている能力で、「イーヴィルアイ」や「魔眼」とも呼ばれています。
これは、悪意を持った視線で対象に呪いや悪影響を及ぼす力を指し、世界中の文化や伝説で語られているものです。『ダンダダン』作中に登場する邪視の能力には、インターネット掲示板「2ちゃんねる」に投稿された都市伝説との共通点が多く見られるため、その投稿が元ネタではないかと噂されています。
その都市伝説の内容は、「別荘で叔父と少年がひとつ目の生き物が裸で踊っているのを見かけた際、目が合った瞬間に強烈な鬱状態に陥り、死にたくなる感情が押し寄せた」というもの。
後に正気を取り戻した二人は、叔父からそれが「邪視」と呼ばれる存在で、視線を合わせると突如死の欲望が湧き上がり、邪視に興味を持たれ続ける限り追い続けられると聞かされます。この伝説の内容と、作中での邪視の能力には重なる点が多く、ジジの持つ邪視の力の背景にはこうした都市伝説が影響している可能性が考えられます。
謎2.モンゴリアンデスワームは毒ミミズ
ジジと関連する存在の一つである「モンゴリアンデスワーム」もまた、その名の通り、恐ろしい未確認生物として有名です。
元ネタはゴビ砂漠に生息しているとされる伝説の生物で、真っ赤なミミズのような体を持ち、体長は1~1.5メートル程度とされていますが、『ダンダダン』の作中では1.5~2メートルにまで描かれています。この生物の特徴として、毒(強い酸)を吹きかけたり、放電して相手を攻撃する能力があります。
その毒性は非常に強力で、触れただけで人間や動物を死に至らしめるとされ、恐れられています。作中で描かれるモンゴリアンデスワームも、この伝説に基づき、ジジや他のキャラクターたちにとって非常に危険な存在として立ちはだかります。
こうした恐ろしい能力を持つ存在と対峙することを通じて、ジジの持つ邪視の力がどのように活かされ、発揮されるかが注目される展開となっています。
謎3.ブリーフはパンツじゃない
ジジのもう一つの謎は、彼が常に着用している「白いブリーフ」にあります。
このブリーフは単なる衣服ではなく、実は「呪物」としての役割を持っています。生贄として犠牲になった人々の強い怨念が宿っており、その力がジジの力の源泉となっているのです。邪視がこのブリーフを通じて力を得ることから、作中でのジジの行動や選択にも大きく影響を与えてきました。
この怨念は非常に強く、人間への憎悪や殺意が詰まっているため、ジジがその力を発動する際の動機にも関わってきます。
しかし、物語の中盤でオカルンとの対立が終息した際、ジジは「オカルン以外とは戦わない」という約束を交わし、ブリーフは満次郎の手によって「大蛇神神社」に封印されることになりました。この呪物が物語に再び登場することがあるのか、その時ジジの力がどのように変化するのか、今後の展開が注目されます。
まとめ
円城寺仁、通称ジジが持つ「邪視」の力や彼に関わる謎の数々は、物語の大きな軸となっています。
2ちゃんねるの都市伝説や、モンゴルの未確認生物「モンゴリアンデスワーム」、そして呪いの力が宿るブリーフなど、多様な要素が絡み合い、物語を複雑かつ魅力的なものにしています。これらの要素が今後どのように展開し、ジジがどのように成長していくのか、その行方が気になるところです。