2022年公開の日本映画『かがみの孤城』は、辻村深月の本屋大賞受賞作を原恵一監督がアニメ化した作品です。鏡の中の城で願いを叶える鍵を探す少年少女たちの物語です。
主人公こころ役は當真あみ。北村匠海や芦田愛菜など豪華な俳優陣と声優陣が出演しています。原作小説は160万部を超えるベストセラーで、子どもから大人まで幅広く愛されています。
かがみの孤城の魅力と面白さ
『かがみの孤城』は、中学一年生のこころが主人公のミステリー作品です。
学校に行かなくなったこころは、ある日、部屋の鏡を通って城に迷い込みます。そこには、同じように学校に行っていない六人の中学生が集められていました。城の管理人である「オオカミさま」から、願いをかなえるために鍵を探すように言われますが、願いをかなえたら城での記憶は消えてしまうという条件があります。こころは、城での謎解きと現実世界での問題とを乗り越えていく物語です。
今回の作品では、城という舞台や登場人物たちの背景や心理を細かく設定したそう。また、作者の辻村深月さんは「異世界と現実世界を行き来することで、成長する主人公の姿を描きたかった」と語っています。
オオカミさまとは
『かがみの孤城』には、狼の仮面をつけた少女であるオオカミ様という案内人がいます。彼女は、城の中に隠された『願いの鍵』を探すことができるのは1人だけで、その人だけが願いの部屋に入ってどんな願いでも叶えられると教えてくれました。
しかし、午前9時から午後5時までしか現実世界から来ることができず、午後5時以降に城に残ってしまうと、その日城にいた者全員が狼に食べられてしまうという恐ろしいルールもあります。
オオカミ様はいつもかわいらしいドレスを着て、呼べばすぐに現れたり、呼んでもないのに現れたりしていました。オオカミ様の正体や素顔は一体何なのでしょうか。
『かがみの孤城』は、オオカミ様の謎を含めて、読者を引き込むストーリーです。
かがみの孤城の作者と原作小説の結末
辻村深月の小説『かがみの孤城』は、不登校の少女たちが出会う魔法の鏡の物語です。2013年から2014年にかけて『asta』に連載され、2017年に単行本化されました。現在までに200万部以上を発行し、本屋大賞も受賞しています。
タイトルの「孤城」は、敵に包囲された城のことで、作者は読者にとっての「城」になりたいと願っています。作者自身はいじめや不登校の経験はありませんが、学校に楽しさを感じなかったことが本作のきっかけになったと語っています。
かがみの孤城小説とアニメとの違いは?
「かがみの孤城」は、原作小説とアニメ映画とでいくつかの違いがあります。
まず、登場人物の行動です。原作では、こころは鏡の孤城に初めて来た時に逃げ出すことができましたが、映画ではオオカミ様に捕まってしまいました。また、原作では城には電気があり、マサムネがゲーム機を持ってきて楽しみましたが、映画では電気がなく、詰将棋やボードゲームで遊びました。
次に、ストーリー展開です。原作では、こころが最後に5時を過ぎて城に入った時にオオカミ様がまだいました。そのため、こころはオオカミ様から逃げるとともに鍵を探しました。しかし、映画ではオオカミ様はいませんでした。また、原作ではスバルとこころが『ハリーポッター』の話をしましたが、映画ではこの場面はありませんでした。
最後に、その他の違いです。映画では、原作にない暖炉横のオルゴールや鍵の部屋、光の階段などが登場しました。また、原作ではアキが好きな紅茶はアップルティーでしたが、映画ではストロベリーティーでした。さらに、原作では大時計は階段を上がったところにありましたが、映画では手の届かない高さにありました。
かがみの孤城の結末と登場人物のその後は?
かがみの孤城の結末ネタバレ
かがみの孤城は、鏡の世界に迷い込んだ中学生7人が、オオカミさまと呼ばれる少女から与えられた謎を解きながら、願いを叶えるために奮闘する物語です。この小説の結末は、感動的で衝撃的なものでした。
物語の後半では、アキが時間を無視して城に残り続けたことで、こころ以外の6人が犠牲になってしまいます。
たまたま城にいなかったこころは無事でしたが、仲間を救うために城へ行き、オオカミさまの謎を全て解き明かします。そして、アキがルールを破ったことを許してほしいと願います。その願いは受け入れられて、仲間たちは生き返ります。また、謎を解く過程で仲間の記憶を垣間見ることになったのですが、オオカミさまがリオンの亡くなった姉ミオであることが判明します。
リオンは姉が自分たちを導いてくれたことに感謝し、仲間たちのことを忘れたくないと願います。その願いも受け入れられ、記憶を保てるようになりました。
新学期になり、こころは母親やアキの助けで学校へ行く決心をします。登校初日に転校生として現れたリオンは、こころに声をかけます。こうして、物語は幸せな結末を迎えます。
かがみの孤城の登場人物のその後は?
『かがみの孤城』は続編がない作品ですが、映画公開時にはエンドロール後に特別な映像が上映されていました。その映像は、映画第1弾の入場者特典として配られたポストカードの内容を映像化したものです。
ポストカードや映像では、主人公のフウカやウレシノをはじめとする登場人物たちが、それぞれの世界で再会を果たしている様子が描かれています。
- こころとリオンがデート?している
- アキがフリースクールの先生となり仲間たちのサポートを続ける
- ウレシノとフウカが再会する
これら結末は、どんな人でも居場所が見つかり、助け合える仲間がいることを伝えています。さらに、入場者特典の第2弾では、こちら側から手を差し出す子供たちのイラストがあります。
これは、本作が居場所を求める人にとっての希望となることを願っているメッセージだと思われます。
まとめ
映画『かがみの孤城』は、登場人物たちが、鏡の中の世界で出会い、協力して脱出する物語です。この物語は、誰にでも居場所があり、助けたり支えてくれる人がいるということです。
本作が居場所のない人にとっての拠り所となることを願うメッセージとして捉えることができます。映画『かがみの孤城』は、見る人によって感じ方や解釈が異なる作品ですが、その奥深さや魅力を再発見するきっかけとなるでしょう。