長い銀髪と紫紺の瞳を持つ美しいハーフエルフの少女、エミリア。
精霊術師としての彼女は、猫の姿をした大精霊パックを従えており、ルグニカ王国の次期王候補の一人でもあります。しかし、考察サイトでは、エミリアはしばしば「サテラでは?」と噂されています。真偽はどうなのでしょうか。
そこで今記事では、エミリアの正体はサテラなのか、また父親と過去についてまとめてみました。
ネタバレ注意です!
エミリアについておさらい
ナツキ・スバルからは「エミリアたん」と愛称で呼ばれ、パックからは「リア」と呼ばれる彼女。
嫉妬の魔女サテラと同じハーフエルフであるため、偏見や恐れの目で見られることも多いです。
しかし、エミリアは非常に優しく、他人の困難を放っておけないお人好しな一面も。しかし、彼女自身はその性格を認めず、他人を助ける行動を自分のわがままと捉え、冷静で合理的なリアリストを演じようとする複雑な内面を持っています。
エミリアの実年齢は「14歳」
そんなエミリアの実年齢は、14歳です。
幼い頃に魔力の暴走により氷漬けになっていました。そのため、実年齢・外見年齢・精神年齢が全て合っていません。
生まれて七歳で、そこから百年ほど眠り、七年前に目覚めた。
それはつまり、こういうことを意味する。
――エミリアは、実年齢約百七歳。外見年齢十八歳。そして、精神年齢十四歳だ。
氷漬けから目覚めた後は、パックと共に人里離れた深い森で暮らしていたため、世間のことには疎く、人間関係を築くのも苦手です。また、恋愛感情に関しても全くの未熟で、昭和時代を感じさせる古めかしい言い回しが見られることも彼女の特徴です。
エミリアと嫉妬の魔女との関係について考察
嫉妬の魔女と蔑まれているエミリアですが、サテラとどのような関係があるのでしょうか。
アニメではサテラそっくりに描かれていますが、エミリアと魔女との関係については、ファンの間で2つの考察に分かれています。
エミリア=サテラの子説
エミリアが嫉妬の魔女サテラの子であるという説は、リゼロの物語において多くの考察がされています。
特に、エミリアとサテラが非常に似た外見を持つことから、この説が浮上しました。ただし、サテラが母親であるという明確な証拠は今のところありません。
エミリア=サテラ説
エミリアとサテラが同一人物であるという説は、リゼロファンの間で根強く存在します。
物語中でエミリアとサテラが極めて似ていること、またスバルがサテラに対してもエミリアと同様の「救う」という言葉をかけていることが、この説を支持する要素です。
エミリアとパックが契約を結んだ経緯
エミリアは、パックを唯一無二の家族として信頼しており、時折子供っぽい表情や仕草を見せることも。頬を膨らませて甘えたりするエミリアの姿は、彼女の無垢さを感じさせます。
エミリアとパックが契約を結んだ経緯は、Re:ゼロから始める異世界生活のOVA「氷結の絆」で詳しく描かれています。
エミリアは幼少期から「魔女の呪い」を受けた氷の村で孤立した存在でした。村全体が氷に閉ざされ、長い眠りについていた彼女をパックが目覚めさせたことが、二人の関係の始まりです。エミリアは自分を見守り助けてくれる存在であるパックに対して、次第に心を開いていきました。
パックは当初、エミリアの守護者として契約を提案し、彼女を守るために一緒に行動することを決めました。エミリア自身も、その孤独から救われたいという思いから契約を承諾します。契約の内容は、パックがエミリアの魔力を供給源とし、彼女を外敵から守るというものです。しかし、エミリア自身がその契約の本当の意味やパックの真の目的をすべて理解していたわけではありません。
パックは単なる守護者というより、エミリアの運命に深く関わる存在であり、彼女を導く役割を果たしているのです。彼らの契約は、単なる召喚獣と召喚者の関係を超え、エミリアの成長と未来に大きな影響を与えるものとなっています。
エミリアの過去!両親については不明
エミリアの父親については、作品内では多くが謎に包まれています。物語の中で彼女の過去や家族に関する詳細はあまり明かされておらず、特に彼女の母親に関してはほとんど情報が出ていません。
エルフの血を引く母親と、人間の父親との間に生まれたと推測されるエミリアですが、その具体的な背景や、彼女の両親がどのような人物であったのかは謎に包まれています。
エミリアは父方の伯母フォルトナに育てられる
エミリアは7歳の頃、両親はそばにおらず、父方の伯母フォルトナに育てられました。
フォルトナはエルフであり「兄にそっくり」というセリフからエルフの血は父親譲りということが読み取れます。
「エミリアの目は綺麗な紫紺の瞳だから、捨てちゃうようなことしないでね。兄さんそっくりの、綺麗な目なんだから」
フォルトナの兄に関しては、リゼロの物語でまだ詳しい説明がされていません。
ただ、フォルトナは兄を大切に想っている描写があり、エミリアのことも実の娘のように大事にしています。エミリアの存在が外部に漏れないよう、大切に匿っている様子も伺えます。
フォルトナはエミリアの養母として登場しますが、4章の過去編では虚飾の魔女パンドラにやられてしまいます。
フォルトナとジュースが義両親になることを望んでいた
フォルトナは司教ジュースに想いを寄せていた描写がありました。
ただし、二人はエミリアに遠慮してか恋仲と呼ぶにはまだ遠く、両想い状態だけれども、言葉にして伝え合ってはいない様子です。また、エミリア自身も二人に「お似合い」と言えたのは、エキドナの試練の中だけです。
「ホントのこと。昨日の夜更かしだって、私はジュースがくれた昔の本と地図との違いを埋めようって夢中になってて……みんなはお父様のお仕事手伝って偉いねって」
だって、エミリアから見たって、二人はお似合いなのだから。
「私、すごーくいいと思うの。だから、二人も考えてみて」
ジュースは、100年前は柔和で人格者的な青年。彼はエミリアとフォルトナを深く愛し、魔女教の設立者の一人として穏健派に属していましたが、自分を「罪人」として見ていました。魔女因子には適合できなかったため、正式な司教ではありませんでした。
彼は、エミリアとハーフエルフのコミュニティを支援しながら、穏やかな生活を送っていました。
パンドラの策略によってフォルトナを手にかけてしまいます。この出来事が彼の心を完全に崩壊させ、最終的にはパンドラの言葉に洗脳され、パンドラと共に森を去りました。
エミリアと魔女たちの謎の関係
エキドナの場合
エキドナは、エミリアを憎んでいる様子。
「ボクが悪意を抱いて接するのは、この世に君ともう二人しかいない」
「そんな不安げな顔をしなくても大丈夫だよ。ボクが君を嫌いなことは、君がハーフエルフであることとは関係ない。出自の是非など問いはしない。血や資質と関係なしに、ボクは君が嫌いなだけだ。……いや、それも正しいとは言えないか」
「君が、憎い。――ただ君が、憎い」
エキドナの言葉から察するに、エミリアに抱く感情は私的な感情のよう。まるで恋敵に抱く想いとも読み取れます。
この想いに関しては諸説あり、エキドナの言葉使いがパックと酷似していることから、エキドナはエミリア父(=パック?)に想いを寄せている…という考察もされています。
ミネルヴァの場合
一方で、ミネルヴァはエミリアに対し後めたさを感じている様子。
「ミネルヴァ……」
もう一度、口の中だけでエミリアは呟き、その響きに首を傾げた。
なんでか、それがひどく懐かしい記憶を刺激するような気がしたのだ。かといって、これまでの思い出の中にも、蘇った記憶の中にもそれを聞いた覚えがない。
でもひどく、親しくしていた誰かを思い起こさせるような不思議な名前だった。
ただ、ミネルヴァに関しては小説版とアニメ版で描写が異なります。
小説版では、エキドナの試練クリアした際に、ミネルヴァはエミリアから姿を隠していました。
エミリアに挨拶する役目をセクメトに押し付け、雲隠れしてしまいました。しかし「ミネルヴァ」という名前を聞いたエミリアは、懐かしさを覚えた様子。
一方、アニメ版ではエキドナ試練終了後、ミネルヴァはエミリアを抱きしめている描写がありました。
これが、ミネルヴァ=エミリア母説を考察させる一因になっています。
ただ、ミネルヴァ=エミリア母は情報が足りなすぎるため、ファンの間でもこれ以上話が膨らんでいません。
まとめ
まだまだ謎が多いエミリア。
サテラと容姿が似ていながらも、サテラ説に否定的なファンも少なくありません。
今後の物語で、エミリアの父親や家族の背景が明かされる日は遠くないでしょう。彼女の正体や、サテラとの関係も含めて、エミリアの過去がどのように物語に影響してくるのか、今後の展開が非常に楽しみなところ。
彼女の伏線が回収されるのは、物語の終盤になるでしょう。原作の更新を楽しみに待ちたいものです。