『Re:ゼロから始める異世界生活』の中でも、強烈な印象を残す「強欲の魔女」エキドナ。
知識欲の化身であり、冷酷なまでの知識への渇望をみせるエキドナ。エキドナが求めるものは何なのか、そして彼女が抱える謎とは?
今回の記事では、彼女の転生目的や隠された5つの謎に迫り、エキドナの魅力を徹底解剖します。
【リゼロ】強欲の魔女エキドナの正体
エキドナは、純白の髪に理知的な輝きを放つ目を持つ、誰もが見惚れるほどの美少女。
400年以上前に世界に影響を与えた7人の「魔女」の一人で、エキドナはその中でも尽きることのない知識欲を持ち、「強欲の魔女」として名を馳せました。さらに彼女は膨大な知識を集め、世界中の王族や人々が彼女の知恵を求めて訪れました。
彼女が「強欲の魔女」と呼ばれるようになったのは、ある「魔女」を葬った後からとされ、今でもその相手は不明とのこと。
エキドナの強さ・権能
エキドナは「強欲の魔女因子」の適合者ですが、その能力は作中では明確には描かれていません。
強欲の魔女としての権能がどのようなものかは不明な点が多いものの、他のキャラクターからは「大兎を滅ぼせる」と評されており、魔法を使うだけで敵を蹴散らすほどの力を持つことが示唆されています。
また、彼女の所有する「叡智の書」は、事実を自動的に記す特別な書物で、読むと膨大な情報が一瞬で頭に入り、通常の人間では廃人となる危険な代物。しかし、エキドナにとってこの本は彼女の知識欲を反映して勝手に創り出されたものであり、自身が好んで使用するわけではありません。
エキドナの目的
エキドナの目的は、彼女自身が「知識欲の権化」と評するように、すべての知識を得ることです。
彼女の行動原理は、この世に存在するすべてのことを知ることであり、知らないことに直面すると、それすらも楽しんでしまうほどの知的好奇心を持っています。
この「知識への愛」が彼女の根底にあり、他者との関わりにも反映されています。彼女は冷酷にも見えますが、知識を求めて訪れる人々とは積極的に話をしたがる側面もあり、単なる冷血な魔女ではない一面を見せています。
エキドナの遍歴!強欲の魔女の末路
エキドナは400年前、ある目的を果たすために尽力していました。そのため単独では成し得ないことを自覚し、フリューゲルやレイド、ボルカニカといった強力な存在と同盟を結んだと言われています。
その目的は『嫉妬の魔女』サテラの封印に関与していたのではないかという説も。彼女は災厄から世界を守るために知識を追い求め、数々の命が犠牲になる中でもその道を進み続けました。
しかし、自らの魂を墓所に封じ込め、リューズの肉体を得て復活しています。
サテラによって滅ぼされる
エキドナは『嫉妬の魔女』サテラによって滅ぼされ、物語開始時点ではすでに故人。
彼女の魂は、リューズメイエルのオドにより作られた結界がある墓所に封じ込め、サテラが復活した際の抑止力として現世に干渉しています。
エキドナに認められた者は彼女の『茶会』に招待され、会談することが許されます。彼女は死後も知識欲を満たすために現世に干渉し続けており、彼女の知識は今もなお現実に影響を与えています。
魔女達の魂を蒐集して繋ぎ止める
エキドナは他の大罪魔女たちと友人関係にありました。彼女は、自分の性格に難があると自覚しつつも、長い間付き合ってくれた魔女たちに感謝し、彼女たちの魂を蒐集しました。
エキドナは他の魔女たちを再現し、彼女の夢の中で知識や記憶を通して彼女たちと交流を続けており、死後も彼女たちとの絆を大切にしています。
これは、彼女たちに対する深い親愛の情から来るものでありますが、何故かサテラにだけは激しい憎悪を抱いています。
人工精霊(襟ドナ、パック、ベアトリス)の創造主
パックやベアトリス、襟ドナは彼女によって作られた大精霊。
この大精霊は世界から恐れられ、人々から敬われている存在ですが、エキドナはパックやベアトリスを困らせる契約を結んでいます。
パックはエミリアと契約を交わすと「記憶を失う」という契約を結ばされていました。作中では「あの性悪魔女め」という言葉を残しています。
また、ベアトリスはロズワール邸の書庫に縛られ、『その人』が現れるまで待つという契約を結ばされましたが、その『その人』は存在しない人物でした。エキドナ自身はこの状況に対して特に感情を抱いておらず、興味深く見守るだけで、何か助けようという意思はありません。
憂鬱の魔神と対峙
ヘクトールは、魔女たちと同じように大罪を背負った「憂鬱の魔人」。
彼は理由が不明なまま、エキドナを付け回し、その命を狙っていました。
エキドナと同等以上の実力を持つと言われており、過去には「聖域」を強襲したこともあります。その時、エキドナは不老不死実験を急遽中断し、リューズを結界の核とすることで難を逃れました。
この出来事が、現在の「聖域」の結界の始まりとなるのです。興味深いことに、エキドナとヘクトールの間にはかつて「決別」の関係があり、命を狙われるような敵対的な関係ではなかったことが示唆されています。彼女の過去の選択が、今の状況を大きく左右していると言えるでしょう。
聖域の墓所の中に肉体と魂を封じる
エキドナがリューズ・メイエルをクリスタルに封じたのは、自身の不老不死という夢を叶えるための実験の結果だったと考えられています。
彼女はクリスタルに閉じ込めた少女の複製体を作成し、自分の記憶を転写することで疑似的な不老不死を確立しようとしていました。しかし、その試みはエキドナ自身の死や何らかの技術的欠陥によって実を結ぶことはなく、現在は時間経過でリューズの複製体を増やす永久機関だけが存在しています。
「聖域」の本来の役割は、エキドナから「憂鬱」を遠ざけることだとされ、リューズ・メイエルはその思惑に乗って自分を捧げました。この一連の出来事が、エキドナの計画にどのように絡んでいるのかが、物語の重要なポイントとなっています。
オメガとして再臨
エミリアによる「聖域」の解放を機に、エキドナは自身の精神体をリューズ・メイエルのクローンの肉体に定着させ、新たな魔女として復活しました。この復活の際、彼女は媒体として取り込んだリューズ・オメガの魂に残った記憶から影響を受け、自らを「オメガ」と改名します。
エキドナは新たな存在として、これまでの記憶や経験を糧にしてさらなる力を手に入れたのです。彼女の復活は、物語に新たな展開をもたらす重要な出来事となります。エキドナの目的や真意が明らかになっていく中で、彼女が持つ新たな力は、どのような影響を与えるのか注目が集まります。
強欲の魔女と呼ばれたエキドナの謎5つ
謎1.夢と現実でエキドナ顔が違う理由
エミリアは、試練を克服し、聖域の解放に成功した際に棺の中からエキドナを発見しました。彼女の白い髪と美しい肌、漆黒の衣装は、夢の中で見たエキドナとは異なる年齢層を示しています。
しかし夢の中のエキドナは10代後半に見えたのに対し、現実のエキドナは20代半ばに見えるとのこと。このことから、エミリアは彼女が別人ではないかと疑います。
しかし、二人の容姿には共通点が多く、特に回想シーンでは、口調や声はまったく同じでした。この違いが何を意味するのか、エミリアは頭を悩ませます。このように、エキドナの外見の変化には深い意味が隠されていると考えられます。
謎2.サテラとエミリアを憎む理由
エキドナは、基本的に他人に対して好き嫌いを持たない性格ですが、特に嫌う相手が三人います。最初の一人はサテラであり、次にエミリアです。そして三人目の相手は不明で、これがエキドナの感情の謎をさらに深めています。
サテラに対する嫌悪感は明白で、彼女との関係には何かしらの過去が影響していると推測されます。また、エミリアに対する感情も複雑で、彼女との関係は一筋縄ではいかないようです。
エキドナの内面には、多くの葛藤が存在していると考えられ、その真意を探ることが物語の重要な鍵となっています。
謎3.パックと交わした「契約」
エキドナとパックの間で交わされた契約には、いくつかの重要な要素が含まれています。
具体的な条文の内容は明らかではありませんが、パックの記憶が失われた姿にその一端が隠されているのです。スバルは、パックの中性的でのんびりした話し方を見て、彼がエキドナに似ていると感じます。このことから、エキドナの影響が強く出ていることがわかります。
また、エミリアが持っていた結晶石も、契約解除によって砕けてしまった珍しいものであり、パックとの関係を示す重要なアイテム。エキドナとパックの契約には一体何があったのか、作中では明らかになっていません。
謎4.アルと交わした「約束」
第七章でアルデバランが放った言葉、「始めるよ、先生。――オレがオレであるために」は、彼の目的を明確に示しています。
スバルを魔法で封じ込めることで、アルデバランが何を達成しようとしたのかは、謎のまま。
彼はエキドナを「先生」と呼び、その関係が物語の中で重要な役割を果たしていることを暗示しています。エキドナの存在も、アルデバランの行動に大きな影響を与えていると考えられ、一体エキドナとの関係に何があったのか、まだ伏線の回収には至っていません。
エキドナの強欲さが、アルの行動にどのように影響を与えているのでしょうか。
謎5.シーマの体で蘇った理由
「リゼロ」オメガでは、エキドナの魂がシーマの体に転写されているという特異な状況が描かれています。エキドナがシーマに魂を植え付け、支配する力を持っていた可能性を示唆しています。
ガーフを墓所から連れ出す際に、エキドナの行動がどういった結果をもたらしたのかは謎に包まれています。
番外編で見る強欲の魔女エキドナ
EXのエキドナ
第六章では、スバルがエキドナと契約を結んでいた場合の別の世界線が描かれています。
このストーリーは「ゼロカラカサネルイセカイセイカツ」と呼ばれ、タイトルは彼女との契約の際に手と手を重ねたことに由来しています。この世界線でのスバルは、聖域やプリステラでの問題を自身の力で解決し、他者との協力を拒否しています。そのため、良好な人間関係を築くことができませんでした。
スバルは、数えきれないほどの「死に戻り」を経験し、エキドナの知識欲を満たすために失敗するルートに誘導されているようです。彼は自らの命を軽視し、他人の命を救うために自らを犠牲にする姿勢が強調されています。
短編集のエキドナ
物語の一部では、コレットという少女が登場します。彼女は村の外れに一人で住んでおり、ある日、川辺でオメガを救助します。数日間オメガと過ごす中で、コレットは彼女が抱える過去の秘密に気づいていきます。
コレットは、魔獣によって周囲の人々を失い、一人ぼっちになった過去を持っています。エキドナは彼女の過去を理解し、コレットを助けるために魔獣討伐に向かいます。コ
レットの過去やオメガとの関係を通じて、エキドナの深い人間性が描かれています。この短編は、エキドナの新たな側面を浮き彫りにする重要なエピソードと言えるでしょう。
まとめ
エキドナは「リゼロ」の中でも特異なキャラクターであり、彼女の背後には多くの謎が隠されています。彼女の強欲さや人間関係、契約にまつわる秘密は、物語をより深く理解するための鍵となるでしょう。
エキドナの存在は、他のキャラクターとの相互作用を通じて新たな展開を生む要因となり、彼女の謎を解き明かすことが物語の大きなテーマの一つです。読者は彼女の真の目的や隠された背景を追い求めながら、物語を楽しむことができるでしょう。