サテラは「Re:ゼロから始める異世界生活」に登場する、四百年前に世界を滅ぼしかけた伝説の存在「嫉妬の魔女」。
さらに、スバルに「死に戻り」の能力を与えたのもサテラであり、彼女の目的はスバルに自分を殺してほしいという願いであることが示唆されています。
嫉妬の魔女サテラについておさらい
サテラは銀髪に紫紺の瞳を持ち、外見がエミリアと瓜二つです。彼女の顔は影で覆われていることが多く、その正体は謎に包まれています。さらに、アニメでは彼女の衣装に黄色い薔薇が装飾されており、この花言葉が「嫉妬」であることが、彼女の象徴ともなっています。
彼女は、かつて「龍」「賢者」「剣聖」といった当時の最強の戦士たちが集結しても倒しきれず、今もルグニカ東部の砂丘に封印されています。サテラは伝説において、会話も通じないほど冷酷で、世界全てを憎みながら無慈悲な殺戮を行う恐ろしい存在とされています。
嫉妬の魔女サテラの封印について
作中では、封印に関するもの「祠」「扉」などが度々出現します。
嫉妬の魔女がいるのは大瀑布の祠ですが、そこにつながると考察されている扉が登場します。ここからは、その祠と扉について考察します。
魔女の祠
嫉妬の魔女は、大瀑布の向こうの祠に封印されているということは間違いありません。
これは公式な設定であり、作中で各キャラクラーがこれについて幾度か語っています。大瀑布の祠には通常の人間が行くことはできず、また祠の付近は魔女の瘴気が充満しており近づくことさえ叶わないとのこと。
「ルグニカ極東の大瀑布、そこに封魔石で作られた祠がある。彼の魔女は今も、その祠の中に封じられているんだ。膨大な瘴気を吐き出しながら」
ちなみに、嫉妬の魔女のお気に入り且つ瘴気に縁があるスバルですが、彼でさえも祠に近づくことは無理とのこと。
嫉妬の魔女が眠っている封魔石の祠はゲートからマナを通じて相手を狂わせる瘴気が満ちているようですが、ゲートが潰れているスバルなら普通に中に入っていけるのですか?
無理です。死にます。毒ガスの中で呼吸しなければいける理論ぐらいキツいと思ってください。
ちなみに祠ではマナの力が低下するため、魔力を使って近づく云々もできないそう。
ゼロ層メローぺ
6章でスバルが辿り着いた何やら怪しい要素満載な「扉」。
魔女との関連性については示唆されていませんが、以下のような雰囲気で佇んでいます。
奇妙な確信があった。
この扉は、自分のものであるという確信が。
地下に流れ込んだ風、その風が運び込んだ臭い、それを辿って辿り着いた自分。
全てが、この場所へとナツキ・スバルを招き寄せていた。
そして今、目の前の扉は淡く、この暗闇の中ですら存在を主張し、ナツキ・スバルの手で開放される瞬間を待ち望んでいる。
スバルたち一行がプレアデス監視塔に滞在した際、スバルが見つけた「扉」。この扉がどこに続くかは不明ですが、わかっていることは以下のこと。
・スバルの身長の倍ほどある
・両開きの、木製の扉
・取手部分に七つの宝玉がある
・扉はフリューゲルがいなくなった後にできた
・扉を開くには「条件を満たす」必要がある
・条件を満たさない場合、訪問者の命を奪う
プレアデス監視塔の番人であるシャウラ曰く「条件が満たされていないから、ダメ」とのこと。シャウラ自身も場所は知らないが、メローぺの場所を聞くこともダメとのこと。
フリューゲルがいなくなった後に「できた」層なので、シャウラも詳しいことは不明な様子です。
封印の扉
エミリアの眼前にあるのは、森の奥の奥のそのまた奥で見つけた、大木に囲われた空間にあった奇妙な扉だ。
扉であるのに建物と繋がっておらず、後ろに回り込んでみても何もない。ただ、森の中にぽつんと見上げるほど大きな扉が立っているだけなのだ。
・扉であるのに建物と繋がっておらず、後ろに回り込んでみても何もない
・扉の材質は木材
・触れる感触は氷に近い
・両開きの閉じた扉の中央には錠前と大きな鍵穴がある
嫉妬の魔女≠サテラ
「嫉妬の魔女」として恐れられるサテラですが、実際にはサテラと嫉妬の魔女は別人格です。サテラが魔女因子を取り込んだことが原因で、嫉妬の魔女が誕生しました。
サテラは他の魔女たちを飲み込み、世界を滅ぼしかけたとされていますが、魔女たちはサテラを恨むことはないと話しています。また、嫉妬の魔女とサテラとは別な存在として認識している様子も。
「世界の半分を飲み干したのも、ボクら大罪魔女六人を飲み干したのも、全ては『サテラ』の行いで、『嫉妬の魔女』じゃない」
「噛み合うのさ、それでね、はぁ。あたしたちは『嫉妬の魔女』は許さない、ふぅ。けど、サテラなら恨みはしない、はぁ。それだけのことさね、ふぅ」
嫉妬の魔女≠サテラは、別人格という認識であり、別な存在ではありません。
これについては、原作者が以下のように話しています。
エキドナ以外の魔女たちは、嫉妬の魔女とサテラを別人格とみなしていたようですが、サテラ以外の魔女たちは人格にどの程度魔女因子の影響が出ているのでしょうか?
ほとんど影響出ていません。適合しているからです。
鼠色猫/長月達平|akf.fm
また、作中で魔女セクメトも以下のように話しています。
「どうもこうもない。無理やりに、適性のない存在が魔女因子を取り込めばそういった弊害も出る。因子の影響で生じた魔女人格とも言うべき部分と、本来の自分とのせめぎ合い……というべきか。ボクからすれば同じ存在なんだから、彼女らのように区別するという意味がイマイチ納得できないのだけどね」
ジュースと同じように何らかの形で魔女因子を無理に取り込み、人格崩壊した可能性も否定できません。サテラ人格はスバルに自分を愛するように諭し、自分を消すよう懇願しています。
エミリアと嫉妬の魔女サテラとの関係について考察
エミリアとサテラは容姿が似ているだけでなく、物語の重要な部分で繋がりを持っています。
エミリアがスバルに対してどのように感じているか、サテラが彼に何を望んでいるかは物語の進展に伴って重要なテーマとなっています。
現時点ではサテラがエミリアかどうかは、わかりません。
しかし、サテラに関する描写は以下のようになっています。
スバルへの呼び方が異なる
「愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる」
「…………」
「愛してる愛してる愛してる愛してる――スバルくん」
「――その呼び方で、俺を呼ぶんじゃ、ねぇよ!!」
エミリアとサテラのもう一つの違いは、スバルに対する呼び方です。エミリアはスバルを「スバル」と呼びますが、サテラは「スバル君」と呼びます。
この小さな違いが二人の感情や関係性を象徴しており、彼女たちが同一人物でない可能性を示唆しています。それぞれがスバルに抱く愛の形は異なり、サテラの愛はより強烈で所有的なものとして描かれています。
スバルに自身を愛してと懇願する
「あなたが死ぬことを望まない人たちと、あなたが死なせたくないと望める人たちと、一緒に抗って。……それでも届かないときは、『死』を恐れて死ぬことを忘れないで」
「――――」
「あなたが死んでしまうことを、悲しむ人がいることを、忘れないで――」
これまで嫉妬の魔女は「愛してる」とだけ呟いてきましたが、エキドナの茶会に登場したサテラは、スバルに自身を愛するよう諭します。
嫉妬に生きる魔女とは違い、サテラは相手を思いやる気持ちを持っている…そんなことを思わせる描写です。
「サテラ=愛おしい少女」という描写になっている
「俺が、必ず――」
ただ、掌の温もりだけを確かめるように強く握って、スバルは、
「――お前を救ってみせる」
見えなくなる、愛しい少女に向かって、それだけは言い切っていた。
エキドナの茶会にてサテラと会ったスバルは、別れ際にサテラのことを「愛おしい少女」と想いを馳せます。また、「救ってみせる」という言葉は、1章のときエミリアに向けて放った言葉。
これらが何を示すのかは作中で明らかにされていませんが、エミリアとサテラに向けた言葉が一致していたことは確かです。
封印の祠付近のマナはエミリアにとって「心地いい」
「なんだろ、空気が肌に合うのかしら。マナも、国とか地域によってはちょっと色が違ったりするから、そういうことだと思うんだけど……このあたりのマナは特に、私の肌には合ってるみたい。あんまり嬉しくないかも」
「まぁ、そうだね。こんな魔獣だらけの魔女が封印されてる場所じゃなぁ」
プレアデス監視塔は、嫉妬の魔女が封印されている祠に近い場所。
そのため、魔獣たちもより凶暴化しているという描写があります。前述しましたが、魔女の祠周辺には気が狂うほどの瘴気が充満しているとか。
そんな状況下の中ですが、エミリアは「肌に合う」環境とのこと。嫉妬の魔女が出す瘴気が、エミリアには合うということかもしれません。
嫉妬の魔女サテラに対する他キャラの反応
神龍ボルカニカ
真っ直ぐ、相手の金色の瞳を見つめるエミリアは、そのボルカニカの態度をただボケてしまっているからと、そう言い捨ててしまいたくなかった。
だって、ボルカニカの瞳には哀しみが、悲痛なそれが満ち満ちていたから。
『サテラ、そうだ、サテラ。『嫉妬の魔女』と成り果てた汝を、我らが止めねば』
「……仲良しだったの?」
『あの日、我が躊躇わなければよかった。あの日、我が躊躇わなければ、誰も――』
プレアデス監視塔にいる神龍ボルカニカは、エミリアのことをサテラと呼びました。
その際、ボルカニカはサテラと勘違いしたエミリアに優しく語りかけます。ボルカニカとサテラは、以前は仲間として行動していたかのような描写があります。
魔女因子を取り込んだサテラを止めることができなかったと、何やら大きな後悔の念がある様子。サテラは自分の意に反して、自分に合わない魔女因子を取り込んだため、このような事態になったと推察できます。
エキドナ
ただ一人だけ、『嫉妬の魔女』を睨みつけるエキドナだけが瞳に敵意を宿している。
憎悪、にも似通ったそれを他の誰でもない、エキドナが浮かべることがスバルには意外だった。ついさっき、彼女にはそういった感情がないものと考えて決別を口にしたばかりだ。その彼女が感情を露わにする姿に、スバルは考え違いをしていたのかと己を疑う。
他の魔女たちがサテラに対し憐れみや懐かしさという感情を抱く中、エキドナはサテラに対し憎悪をあらわにします。
またエキドナは、エミリアに対しても「君が、憎い。――ただ君が、憎い」同じ感情を抱いている様子。しかし、この憎しみは「嫉妬」にも似た感情とも読み取れます。
サテラとエキドナは恋敵で、その娘であるエミリアに対しても嫉妬の感情を抱いている…と考察するファンもいるほどです。真実はいかに。
まとめ
サテラは、リゼロの中でも一番謎が多いキャラクターです。
容姿はエミリアに瓜二つとのことですが、周囲の抱く感情も酷似しているため、サテラ=エミリアと考察するファンも少なくありません。ボルカニカのようにサテラを強く思いやるキャラもいることから、エミリアやリューズのような辛い過去があったのかもしれません。
今後の更新が楽しみですね。