夜空に輝く「昴(スバル)」は、天文学でも有名な星団です。
「昴」は、実はプレアデス星団の一部で、日本でも昔から親しまれてきました。また、明るい星「アルデバラン」とも近くで見られますが、これらの星々にはどういった関係があるのでしょうか?
今回は、「昴」や「アルデバラン」について、詳しく解説していきます。
昴(スバル)とは?
「昴(スバル)」は、夜空に見える星の集まりで、プレアデス星団とも呼ばれています。この星団は、たくさんの星が集まってできており、日本では古くから「昴」という名前で知られてきました。
特に冬の夜空でよく見られるため、多くの人が観察を楽しんでいます。プレアデス星団は、地球から約440光年離れた場所にありますが、肉眼でもいくつかの星が見えることが特徴です。
昴はどんな星?
昴(スバル)は、実際には一つの星ではなく、複数の星が集まった「星団」です。
昴はプレアデス星団の別名で、星が生まれてから比較的若い星の集まりです。この星団は、夜空で小さなもやのように見える部分があり、肉眼では6~7個の星を確認できることが多いです。
昴は、世界中で知られており、ギリシャ神話にも登場します。また、日本の自動車メーカー「スバル」のロゴにも、昴の星が使われています。昴を見るには、冬の夜空が一番の観察時期です。
プレアデス星団とどんな関係?
プレアデス星団と昴は、実は同じものです。
プレアデス星団というのは、昴の英語名や学術的な名前で、約800個もの星が集まっています。プレアデス星団の中で、特に明るく目立つ星が昴として知られています。昴は冬の夜空で美しく輝いており、その形が「すばる」という名前で親しまれるようになりました。
プレアデス星団は、オリオン座の近くに位置していて、星座の中で見つけやすい星団の一つです。この星団は、星が誕生してからまだ1億年ほどの若い星たちです。
プレアデス星団一覧
プレアデス星団は、おうし座の中に位置しており、これらの星たちはギリシャ神話に登場する姉妹やその父を象徴しています。それぞれの星に神話的な背景があるため、星空観察をさらに楽しめます。
アルキオネ (Alcyone)
名前の意味: ギリシャ神話のプレアデス姉妹の一人で、「平穏」を意味する。海の精霊ともされている。
アトラス (Atlas)
ギリシャ神話に登場する、プレアデス姉妹の父。天空を支える巨人として知られる。
エーレクトラ (Electra)
プレアデス姉妹の一人で、「輝くもの」や「琥珀」を意味する。ゼウスとプレイオネーの娘。
マイア (Maia)
プレアデス姉妹の長女で、成長や豊穣の女神として知られる。ギリシャ神話でヘルメスの母。
メローペ (Merope)
プレアデス姉妹の一人で、ただ一人の人間(ステネロス)と結婚したため、恥じて輝きを失ったという伝説がある。
タイゲタ (Taygeta)
プレアデス姉妹の一人で、ゼウスから逃げるためアルテミスに守られたという神話がある。
ケライノー (Celaeno)
プレアデス姉妹の一人で、名前は「暗いもの」や「黒いもの」を意味する。
ステローペ (Sterope)
プレアデス姉妹の一人で、名前は「雷光」や「閃光」を意味する。
アルデバランとは?
アルデバランは、おうし座で一番明るい星で、赤く輝いているのが特徴です。
この星は、プレアデス星団のすぐ近くに見えるので、昴(スバル)とセットで観察することができます。アルデバランは、地球から約65光年離れており、昴よりもずっと近い場所にあります。夜空で赤く光る姿は、冬の夜空を彩る代表的な星の一つです。
アルデバランはどんな星?
アルデバランは、おうし座の一等星で、冬の夜空でよく見られる星です。
この星は、太陽よりも大きくて、赤く光っているため、一目で見つけやすいです。アルデバランという名前は、アラビア語で「後に続くもの」を意味しており、これはプレアデス星団の後に現れることに由来しています。
アルデバランは、巨星という種類の星で、太陽の50倍以上も大きいです。地球からの距離は約65光年と比較的近いため、その輝きは特に明るく、赤い色が印象的です。
アルデバランと昴はどんな関係?
アルデバランと昴は、夜空で隣り合って見えるものの、実は直接的な関係はありません。
アルデバランは地球から約65光年離れていますが、昴(プレアデス星団)は約440光年と、アルデバランよりもずっと遠くにあります。
見た目上は近くに見えるため、多くの人がこの2つの星を関連づけて考えることが多いですが、実際にはそれぞれ異なる距離と場所に存在する別々の星です。
しかし、夜空では一緒に観察されることが多く、冬の星空の楽しみ方としてはこの2つをセットで見るのが定番です。
昴(スバル)が人名に使えない理由とは
本来、「すばる」には「昴」という字が正しいのですが、「昴」は1990年に人名用漢字として認められたため、それ以前に生まれた子どもには使えませんでした。
そのため、1981年にすでに人名用漢字として認められていた「昂」が代わりに使われるようになりました。もし「昂(すばる)」という名前を見た場合、間違えて「昴」と書くべきではないかと感じるかもしれませんが、その人が生まれた年に「昴」が人名用漢字に含まれていたかを確認することが重要です。
まとめ
昴(スバル)とアルデバランは、冬の夜空を彩る美しい星々です。
昴は、プレアデス星団としても知られ、多くの星が集まる場所です。一方、アルデバランは、おうし座で最も明るい赤い星です。これらの星々は見た目には近く見えますが、実際には異なる距離に存在します。また、昴は特別な名前であり、人名に使うことができない理由もあります。
星空を観察する際は、ぜひこの2つを探してみてください。